オイディプスの刃 著者：赤江瀑
最近、たまに読んだりしている赤江瀑の初期の作品です。
この文庫の表紙に写っているのは、今は亡き古尾谷雅人で、映画化されたときの写真のようです。
白塗りメイクがすごいけど、赤江瀑の世界とはちょっとずれてるような。
耽美的なものって、俗っぽさと紙一重だけど、そこからギリギリ逸れているのが、赤江瀑の魅力ではないのか。
と、まだ数冊しか読んでない私が語ってみました。
作中、京言葉が頻繁に出てくるのですが、京言葉というのは東京人からすると、本当に妖しい響きをもった言葉に思えます。
内容的には刀にまつわる怪異譚です。そこに恋と色欲（笑）、兄弟間の葛藤などが絡んできて、ドロドロとした人間関係が展開されるわけです。
しかし読んでいるときの感触は、さらりとしていて、それが赤江瀑クオリティといった感じです。
描写がクールで、感情的に盛り上がるところがないのが、いいところなんだと思います。
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